創業慶応年間 神戸の石材屋 石福石材です
前回ではお墓の種類についてお話しさせていただきました。
ご自身の宗教について掲載しているかもしれませんので、是非下記のリンクからご覧くださいませ。
そして今回は前回の後半編である、宝篋印塔・宝塔、多宝塔・無縫塔についてご説明致します。
この記事を通してお墓の知識を知っておきましょう!
宝篋印塔について
宝篋印塔の名は「宝篋印陀羅尼経」を納めることから出たもので、中国を経て日本から伝わった密教系の石塔です。鎌倉時代中期から五輪塔と並んで盛んに造られました。
宝篋印塔の形と呼び名
各部の呼び名は上の図の通りですが、基礎の上、笠の部分に段数を多くつける場合とそうでない場合があります。
また隅飾りの反り方が時代が下るにしたがって大きくなります。関東と関西ではその発展の段階から少しずつ異なり、今でもその差が残っています。
〜宝塔・多宝塔とは〜
〜宝塔とは〜
宝塔とは中国では宝殿、宝閣などと同様に、塔の美称で特定の形態を示す語ではないと言われています。
日本でも『薬師寺縁起』に奈良時代の流記を引いて、「宝塔四基、二口は本寺に在り」とあり、塔の美称ですが、現在建築では円形塔身に方形の屋根をかけた一重塔などを宝塔と呼んでいます。
また「法界体性」とは「地・水・火・風・空・識」の「六大」のことで大日如来の象徴である「三昧耶身」つまり「六大法身」のことです。
空海はその著『性霊集』に「毘盧舎那の法界体性塔」について書いています。
密教では宝塔は「大日宝塔」ともいわれます。
〜多宝塔とは〜
多宝塔とは多宝如来を安置する塔のことをいいます。
多宝如来は「釈迦はもうずっと昔から仏だったが、娑婆世界に本当のことを教えるために再度生まれて人々を導いている」と説き、釈迦牟尼仏のために半座を分かって塔中に坐せしめたと説かれています。
石造りの仏塔で覆鉢型の軸部に二仏彫られているのは、多宝如来と釈迦如来です。
下層は方形、上層の軸部は円筒形であり、上下の連結部分は饅頭形(亀腹)をなし、頂に相輪を設けています。
〜無縫塔(卵塔)とは〜
別名卵塔ともいわれるとおり、卵形をしています。
鎌倉時代に禅僧の墓石として造られたのが、わが国日本での始まりです。卵形姿は宝塔と同じようにストゥーパからの変化でしょう。
この墓石は他の型のものが宗派色や階層をこえて造られるようになったのにくらべ、今でも多くの僧侶の墓石として建てられていることに特色があります。
次回はお墓に彫刻する文字について分かりやすくご説明させて頂きます。
少しでもお墓のことを知ってもらえましたら幸いです。