皆さんこんにちは。創業慶応年間 神戸の石材屋 石福石材です。
最近暑くなって来ましたね。熱中症には気を付けてください。
弊社も熱中症対策をしながらしっかりと施工していきます。
さて、前回ではお墓に関しての宗教行事についてお話しさせていただきました。
知ってそうで知らないことについて書いているかもしているかもしれませんので、是非下記のリンクからご覧くださいませ。
そして今回は前回の続きで「お盆・お彼岸」についてお伝えいたします。
お盆について
お盆のことを正しくは「盂蘭盆会」(うらぼんえ)と言います。盂蘭盆はサンスクリット語のウランパナの音写で「倒懸」と意訳されます。
倒懸というのは、逆さ吊りにされるような耐え難い苦しみのことで、地獄や飢餓道などの悪処に落ちてこの苦しみを受けている死者を救うために営む法会なのです。
またお盆は修行明けの僧侶たちに、施餓鬼は餓鬼道に落ちた亡者に飲食を振る舞う行事なのです。
つまり飲食を振る舞うことには変わりはありませんが、ご馳走する相手が違うのです。ただし、どちらの場合も飲食を振る舞うことにこの上ない功徳があると考えられ、その功徳によって先祖の霊が救われると考えられています。
お墓参りでは是非ご先祖様に飲食を振る舞ってあげてください。
また現在行われている盂蘭盆会の行事スタイルは江戸時代に出来上がったものです。しかし古くから日本には先祖を敬う先祖信仰があり、毎年、先祖の霊をまつる祖霊祭を営んできました。
現在、各地で行われている祭りも祖霊祭を中心としたものが多いですが、これに仏教の思想や行事などを加味して独立させたのが、日本の盂蘭盆の行事といえるでしょう。
ですからお盆の行事には仏教伝来以前から行われていた先祖供養の習俗も多々見られ、現在でもその地域独特の行事を受け継いでいるところがたくさんあります。
昨今ではお盆の時期は7月8月に分かれています。東京都心を中心に7月、農村部や関西では8月というのが一般的です。
これは明治の初めに太陽暦(新歴)を採用したため、このように分かれることになりました。
お彼岸について
春分の日と秋分の日を中日としてその前後3日間を合わせて7日間を『彼岸』といいますが、この期間中に行われる法要を彼岸会といいます。
すでに平安じだいの朝廷では行われていたようですが、仏教の先進国であるインドや中国には無い行事です。
土着の民族行事と習合しあって生まれた、日本特有の仏教行事で江戸時代になると庶民の間に広く行われるようになり、現代では仏教行事の中で春秋の彼岸の中日だけが祝祭日になっています。
ここで彼岸という言葉の意味を説明していきます。
菩薩になるための実践徳目である「波羅蜜」はサンスクリット語でパーラミターといい、「到彼岸」「度」などと漢訳されます。パーラーミターとは「究極最高であること」「完成態」などと訳されますが、伝統的な教理解釈では「彼岸(悟り)に到るための行」と説明されています。
この「到彼岸」にある彼岸とは此岸に対比される言葉で、河をはさんだ向こう岸(彼の岸)とこちらの岸(比の岸)ということになります。
こちらの岸は私たち六道の衆生が住む娑婆世界で、向こう岸は遠くて手の届かない仏の住む寂光土、二乗は方便度、天は宮殿、人は大地、地獄は赤鉄というような差別をしますが、大きく分けると仏の世界とそれ以外の世界に分け、その間の差が最も越え難い距離だとされているのです。
この距離感が彼岸にこがれる思想と結びつき、太陽が真東から登り真西に沈む春分、秋分の日を選んだのでしょう。
浄土宗が依経とする観無量寿経にある日想観がその背景になっています。ですので彼岸会は、仏の世界を心に書いてそこに少しでも近づくように修行が成道することを願う日なのです。
またこの日はお墓参りするのが習わしです。
国民の休日に関する法律でも、
『春分の日』は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」
『秋分の日』は「先祖を敬い、亡くなった人をしのぶ日」
と定められています。
亡くなった人は成仏して彼岸に到達しているはずなのですが、なかには迷っている霊もいるでしょう。その霊が無事に到達できるように供養をするのです。
今回はここまでです。
次回は「灯明」「数珠」「合掌」の三つについてご説明させていただきます。
兵庫県のお墓の工事は石福石材まで!